【多摩市】宝野公園

あずま屋から見た景色

宝野公園は、富士見通りの桜並木が美しい公園です。晴れていて見通しが良い日なら、富士見通りの名の通り、遠くに富士山も見えます。京王線や小田急線、多摩モノレールの多摩センター駅から、南へ徒歩15分ほどの場所にあります。

目次

基本情報

大きさ31,163㎡
遊具複合遊具、ロッキング遊具
ベンチ◯(あずま屋あり)
水道
トイレ◯(車いす用あり)
駐車場
近隣奈良原公園、多摩中央公園
2023年4月現在

宝野公園の遊具は、小さな複合遊具とロッキング遊具のみ。

↓複合遊具は、ブランコとハシゴや雲梯があります。複合遊具のとなりには、うさぎのロッキング遊具が1つあります。

公園のようす

多摩センター駅から、多摩中央公園とレンガ坂を南へ歩き、住宅街の遊歩道を進みます。

↓遊歩道には美しい花だんが作られています。道沿いにフリースペースが設けられたおしゃれな住宅が並んでいて、景観と合わさってとても明るい雰囲気です。

多摩センター駅からの遊歩道

↓4月中旬ごろ。チューリップやワスレナグサなどが咲いていました。

チューリップ

多摩地区のニュータウンは、高度経済成長期に東京への人口流入が増加し、大量の住宅供給が必要となったため計画されました。

最初の入居が始まったのは1971年、諏訪・永山地区で行われました。

諏訪・永山地区の(旧)公団の団地は、似たような外観で似たような造りの大量供給を目的とした、いわゆる団地が数多く見られます。

オイルショック(1973年)以後は、東京への流入が落ち着いたため、鶴牧地区では、質も高めた低層団地やタウンハウスが建てられています。

一帯は遊歩道と公園と住宅街がつながりをもって開発されていて、景観がより美しく一体感があります。

2021年に入居開始から50年を経過した多摩ニュータウンですが、子育て世代が街を離れていって、廃校になってしまった学校もあります。

今後は多摩ニュータウン再生に向けた計画も検討されているようで、諏訪・永山地区ではすでに計画が策定されています。

多摩ニュータウンには馴染みが深いので、何らかの形で再生計画を応援したい。

↓宝野公園の入口です。動物か何かをモチーフにした時計が建っています。

↓入口のアーチをくぐるとちょっとした広場があり、左手にはトイレ、右手には富士見通りへ道が続いています。

広場の真ん中あたりにはベンチが置かれていて、

↓ベンチには、青くて丸いモザイクタイルが使用されています。老朽化が進んで、剥がれ落ちている部分が目立ちます。

公園入口のベンチ

青いベンチの奥は、こじんまりとした遊具があります。

遊具のある場所の隣は球技場です。

球技場

↓宝野公園には土壌改良火山灰を使用した、赤い土のグラウンドがあります。かなり広々していて、サッカーゴールは6つも設置してあります。

球技場

このグラウンドは原則サッカー利用のみで、利用には事前に団体登録が必要とのこと。

詳しくは多摩市立総合体育館のHP(外部リンク)をご参照ください。

↓グラウンドの東側には駐車場あり。駐車台数は8台分と少なめです。

駐車場

グラウンドを通り過ぎて公園の南側には、「富士見通り」という、芝生と遊歩道が東西に広がっているエリアがあります。

あずま屋

↓富士見通りの一番東側には、特徴的な形のあずま屋があります。

あずま屋

↓富士見通りの奥の方まで見通せます。条件が良ければ、ここから富士山も見えるらしい。

あずま屋から見た富士見通り

芝生の両側に遊歩道があり、桜の並木道になっています。

桜が咲く頃には多くの人でにぎわいますが、出店などは無く、すぐ近くにコンビニもないので、

公園でピクニックするなら、来園前に調達しておく必要があります。

富士見通り

↓広い芝生や桜の下にベンチや花だんがあり、気持ちよく過ごせる場所です。

富士見通り

↓芝生の西端まで行くと、道路を挟んで奈良原公園が見えます。ジグザクしたスロープが、道路と公園の高低差を現しています。

奈良原公園を望む
2023年3月末頃

富士見通りの桜並木のようす

満開の桜の画像は2023年3月末頃のものです。

↓富士見通りは、端から端まで桜並木が続いています。その距離は200m以上にも!

桜
グラウンド越しの桜並木

↓平日ですが、お花見をするたくさんの人でにぎわっています。

桜

↓ただ歩くだけでも、見応えのある桜を堪能できます。

桜並木
あずま屋と桜
桜

↓ソメイヨシノが大半を占めているなか、枝垂れ桜など他の品種もちらほら。

桜

桜並木は、お隣の奈良原公園にも続いています。奈良原公園のさらに奥、鶴牧第2公園にも桜が咲いているので、桜の時期にはどこを歩いてもお花見を楽しめます。

植物

宝野公園は、道沿いのいたるところに花だんがあります。

ワスレナグサ(ムラサキ科ワスレナグサ属)

↓淡い青紫色の小さな花で、開花期は3月〜5月。

ワスレナグサ

ワスレナグサの花の色は淡い青や青紫、白、ピンクなどさまざま。

↓花だんには青色のほか、白い花も見られました。

シンワスレナグサ

ワスレナグサという名前は、中世ヨーロッパの伝説から由来しています。

騎士とその恋人がドナウ川のほとりを散歩していて、この花を見つけます。騎士は恋人のために花を摘もうとして川に落ちてしまい、鎧のために川から上がれません。最後に摘んだ花を恋人に投げ「私を忘れないで」と残し、流されてしまった、という悲恋の伝説です。

日本には明治に植物学者の川上瀧彌さんによって「忘れな草」と訳されたそうです。

参考:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』/ワスレナグサ

プリムラ(サクラソウ科サクラソウ属)

「プリムラ」とひとことで言っても、プリムラの品種は何百種類とあるようで、

↓花だんで見かけた黄色い花は、プリムラ・ポリアンサと見えるのですがどうでしょうか?

プリムラべリス

↓こちらはプリムラ・ブルガリス?

プリムローズ

花弁は筒状で、上の方で5裂して平らに広がっています。

おしべは花弁の筒の中に収まっていますが、めしべはおしべより短いものや長いものがあるそう。

スイセン(ヒガンバナ科スイセン属)

桜並木の下には所々にスイセンが植えられていて、だいたい桜と同時期に開花しています。

スイセンにも多くの園芸品種があります。

詳しい品種名は不明ですが、宝野公園の花だんで見かけたものをご紹介します。

八重咲きスイセン

↓白いバラのように咲いている八重咲きのスイセン。

八重咲き水仙

ラッパスイセン

↓形状がラッパの形をしていて分かりやすい、ラッパスイセン。

ラッパスイセン

ラッパの形をしている部分は副花冠といって、花弁(花びら)に似た形をしているものを呼び、スイセンの場合はおしべの一部が変形してこの形状になったとのこと。

副花冠はスイセンなど限られた種にしか見られないそうで、形はラッパスイセンに見られる花弁のようなものや、糸状のものなど様々あります。

スイセンは全草有毒

ヒガンバナ科の植物は、だいたい「ヒガンバナアルカロイド」という有毒成分が含まれています。

スイセンは根も花も葉も有毒で、特に鱗茎に有毒成分が多いそうです。

スイセンの葉をニラの葉と間違えて食べてしまい、食中毒の症状を起こしたケースが毎年のようにあります。

確かにニラの葉に似ていますし、ニラの旬が春なので開花前のスイセンと間違いやすいのですね。

葉っぱを揉んで匂いを嗅ぐことで見分けられ、ニラはニラ臭が強く、スイセンではニラ臭が弱めで青くさい匂いがするとのこと。

しかし、普段馴染みがないと、弱めでもニラ臭がしたら間違いそうな予感がします。

ジャーマンアイリス(アヤメ科アヤメ属)

↓ジャーマンアイリス。別名ドイツアヤメ。

ジャーマンアイリス

↓垂れ下がった花びらに見えるものは外花被(萼)で、立ち上がっている花びらが内花被。

ジャーマンアイリス

アイリスというと一般的には、アヤメ科の植物で園芸で栽培するものを指すそうで、

世界中で栽培や改良がされていて、特に欧米人と日本人が熱心に行ってきたようです。

ジャーマンアイリスは、様々な原種を交雑して品種が作られているのに対し、

日本の花菖蒲の品種は、ノハナショウブという1つの原種から変異して、様々な品種に広がっているとのこと。

参考:日本花菖蒲協会.『世界のアイリス』.誠文堂新光社,2005

アクセス

電車

京王線・小田急線・多摩モノレールの「多摩センター駅」から、南へ徒歩15分程度。

バス

多摩センター駅より、
鶴巻センター経由富士見通下行き乗車。
バス停:「鶴牧三丁目」もしくは、「富士見通下」下車徒歩3分
系統:多61

駐車場

駐車場は球技場のとなりにあります。

台数:8台
料金:無料
開放時間:4月〜8月 8:00〜19:00
     9月〜3月 8:00〜18:00

駐車台数は少なめで、夜間閉鎖。

地図

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