池の美しい景観と森のなかの散策が楽しい!四季折々に顔がちがう、自然たっぷりの長池公園。公園には3つの池があり、池の周辺には雑木林や橋を移設した際のモニュメント、貴重な動植物など魅力あふれるものがいっぱいです。京王相模原線南大沢駅から、徒歩20分ほどの場所に位置しています。
基本情報
大きさ | 194,335㎡ |
遊具 | × |
水道 | あり |
ベンチ | あり |
トイレ | 3ヶ所あり(車いす用◯) |
駐車場 | 2ヶ所あり |
飲料自販機 | あり |
近隣 | 松木公園、せせらぎ緑道 結婚式場 |
レンタルサイクル | 松木公園にあり |
遊具
長池公園には遊具がありません!なので、子どもを遊具などで遊ばせたい場合には、隣にある松木公園へ行くのが良いです。長池公園と松木公園は、道路をはさんで隣合っています。
↓松木公園について。
公園の3つの池
はじめて公園に訪れたなら、まず3つの池をまわって見たいところ。
姿池
姿池の名前の由来は、長池見附橋を映し出していることから。
↓まわりの土地からは、少し下に位置している池で、窪んだ地形になっています。
姿池は3つある池のうち、一番最後に造られた人工池。公園を開園するにあたり造設されたようです。名前の通り、美しい橋をさらに美しく映す鏡のように造られています。
池にかかる長池見附橋は、新宿にあった旧四谷見附橋をこちらに移動させて復元したもの。池のほとりには、移設された時の資料や展示物が置かれています。
↓旧四谷見附橋の橋上の柵や灯りは、近くにある迎賓館赤坂離宮と同じ、ネオ・バロック様式で造られたとのこと。縦格子の鉾の形など迎賓館と同じ、という説明があります。
↓どこを撮っても絵になるよう。
築池
築池(つくいけ)は、3つある池の中で一番大きな池。池のまわりは、木々に囲まれた部分と、見晴らしが良くてベンチが置いてある部分とがあり、景観を眺めながらひと休みするのにちょうど良い場所です。
↓ベンチに座ってぼーっとしていると、ゆっくりと時間が流れていきます。
築池が造られた時代は、明治か大正かもっと前の江戸末期か、はっきりは分からないようです。
↓池の南側のほとりに説明板が設置されています。昔は姿池の下流方向に田んぼが広がっていて、水をひくために造られた、かんがい用の池だということです。
ところでいきなりですが、説明板が置いてあるこのあたり、長池公園で私が一番好きな場所なんです。
↓風がないと水面が鏡のようになって(姿池でも鏡でしたが)、絵画の世界に入り込んだように感じます。
出来ることなら、小一時間くらいここで物思いにふけったり、絵心無いけどスケッチしたりしたい。
↓場所は雑木林トレイルへ向かう道の途中なんですが、ちょっとだけスペースを設けられていて、ただしベンチが無いので、たたずんで風景を観察します。
↓築池のまわりには歩道があり、色んな角度から池の表情が見られます。
水質が良く、昭和初期ごろでは水遊びをする場所だったようです。現在、池での釣りや水遊びは禁止。水鳥への餌付けもダメなので、観察を楽しむ場所となっています。
なお、築池のまわりの歩道は、1周ぐるっと回れません。そのまま進むと、外周緑地ゾーンや、体験ゾーンなどへ向かいます。
長池
公園の名前にもなっている長池は、3つのなかで一番古くから存在していて、いつから水をたたえているか分からないくらいの自然にできた池のようです。
↓長池があるエリアは、大部分が特別保全ゾーンとなっていて立入禁止。池の端っこしか見ることが出来ません。
長池伝説
↓この池には「長池伝説」というものがあり、池の近くに石碑と説明板があります。
浄瑠璃姫の碑…浄瑠璃といえば、歴史の授業で学んだうっすらとした記憶、人形浄瑠璃が思い出されます。浄瑠璃とは仏教用語のようで、仏教の知識が無い自分には、???になってしまうのですが、澄み切った清いようす、という解釈でよろしいでしょうか。
説明板にある長池伝説の内容ですが、海面に三日三晩光る薬師如来像を漁師が拾い上げたことから始まり、それを相模城主の岡崎四郎が譲り受け、子宝に恵まれるよう薬師如来像に祈り続け、授かった娘を浄瑠璃姫と名付けたそう。
そして、浄瑠璃姫が武蔵国城主小山田太郎高家に嫁いだ際に、父からもらった薬師如来像を小山田家に持っていき、高家が戦死した後追いで、薬師如来像を背負って長池に身投げしたというのが長池伝説。
身投げには侍女13人も一緒だったとのことですが、侍女というと身の回りのお世話をする人というイメージで、主と共に身投げをしたという事態にすごく驚きました。時代がそうであったと済ませてしまうのも腑に落ちない。長池伝説の詳細が気になり、歴史物語として本になっていたので、さっそく八王子市の図書館で借りて、読んでみました。
物語は、14歳で嫁いで数年後に身投げした浄瑠璃姫の、なんとも切ないストーリーで、説明板を読むだけでは想像が広がらなかった、当時の情景を感じることが出来ました。
本は、伝説と歴史と創作から織り成されています。文字が大きく、漢字にふりがなもふってあるので、小学生でも読める内容だと思います。大きいイラストもあり、とても読みやすい。
参考文献
菊池澄子『長池伝説』
発行 特定非営利活動法人エヌピーオー・フュージョン長池 2008年8月初版
リンドウ
↓長池の近くには秋の花、リンドウが咲いていました。
ちょっと色褪せていて、もう花の時期も終わりに近いようです。
公園の各ゾーンについて
公式サイトの園内マップによると、公園は大まかに6つのゾーンに分けられていて、公園の中央あたりに長池公園自然館(長池ネイチャーセンター)があります。
6つのゾーンは以下のとおり。
・北エントランスゾーン
・観察ゾーン
・体験ゾーン
・外周緑地ゾーン
・特別保存ゾーン(立入禁止)
・南エントランスゾーン
園内マップ
↓公園内の数カ所に園内マップがあるので、現在地を確認できます。
北エントランスゾーン
北エントランスゾーンとなっているエリアには、姿池や築池や芝生広場の開放的な部分や、長池自然館など見どころがたくさんあります。
芝生広場の端のほう、地面が土になっている部分はバーベキューが可能です。
長池公園自然館
公園には、ビジターセンターとして長池公園自然館があります。
↓訪れた時には、正面のウッドデッキが工事中でしたが、まわり込めば中に入れます。
入っていくと、入口付近に、現在見られる花の情報が掲示されています。どこの場所で見られるのか、大まかに表示されたマップがあるので、花を探しにいくのも楽しそう。
館内には色々とコーナーがあります。
- クラフトコーナー 100円で何か作れるようです。利用するには、カウンターで申し込み。
- ライブラリーコーナー 自然に関する本が、たくさん置いてあります。閲覧は館内でのみ。貸出はしていません。
- 展示室 里山に関する色んな資料や、動物の剥製などが展示されています。
- 休憩コーナー 窓際にカウンターと椅子があり、公園の森を見ながら休憩できます。
- 販売コーナー 美味しそうなお菓子や、公園のグッズが販売されています。
- トイレ おむつ替えや車いす利用も可。
自然館を見てから公園を巡ると、より深く長池公園を楽しめるのでおすすめです!
築池水辺観察ボード
↓築池には、水辺観察ボードなるものが設置してあります。
たまに見かける野鳥観察小屋、なぜこんな風に壁に穴があいた形なのだろうと思っていましたが、人の姿を隠して鳥を驚かせないためという、それほど鳥は繊細な生き物なんですね。
野鳥を撮っている方を見かけると、たいてい長望遠レンズと三脚を持っているので、遠くから静かに撮るのが基本ということでしょうか。
↓動物の姿を見つけると嬉しくなり、つい雑にカメラを向けてしまったのですが、野鳥を撮る基本のキもなっていなかったようです。
目のまわりが白いからメジロかと思いましたが、メジロはスズメよりも小さいらしい。この鳥は大きかったので、ガビチョウかも。ガビチョウも目のまわりが白いけど、後方にも白く線のような模様があるらしい。画像の鳥には、あまりその模様が確認できなかった。でもたぶんガビチョウ!
鳥を撮影するのって難しい…!
体験ゾーン
↓体験ゾーンは、畑や田んぼづくり、炭焼きなどの活動の場です。活動は、里山文化の継承や自然の保護などを目的として、長池里山クラブが行っています。
↓活動のための小屋や、ウッディなトイレもあり、いい雰囲気。
↓水車小屋や梅園も体験ゾーンにあります。
水車小屋の水車は、古くなって取り外されて、今は無いようです。
観察ゾーン
観察ゾーンは、長池まで続く道沿いにある観察路や、雑木林トレイルという森のなかでちょっとした山歩きを楽しめるエリアとなっています。
カタクリ観察路
↓観察ゾーンの一角には、カタクリ観察路があります。
↓近くに案内板があったのですが、カタクリは10ヶ月間も地上に顔を出さないとのこと。春がカタクリの本番です。
カタクリは人工的に群生地をつくって、観光地にしているところもあるくらい、春に人気の花ですよね。カタクリの群生を求めて、山へ見に行かれる方もいると思います。
現在はだいぶ数が少なくなっていて、東京多摩地区などでは絶滅危惧II類として指定されています。つまり絶滅の危険がある、ということですね。乱獲や環境の変化が影響しているようです。
カタクリは、南斜面の日光が照りつけるような所や、常緑樹の下で陽が当たらない所では育たないとのこと。雑木林の木漏れ日の下、湿っぽい場所に、群生を見られることがあるらしい。
木漏れ日の森の中に、ひっそりと咲く早春のカタクリの群生を想像して癒されました。
雑木林トレイル
↓雑木林のなかで、アップダウンのあるお散歩を楽しめます。
↓十字路までは登り坂。木漏れ日が差している、気持ちのよい道です。近くの尾根幹道路を走る車の音がだいぶ遮られていて、人も少なく、落ち着いた雰囲気のなかで歩けます。
↓十字路には、道案内あり。
↓ながいけの道から雑木林を見る。言うても公園内なので、道迷いの心配はないし、森林浴に最適な場所だと思います。
外周緑地ゾーン
↓外周緑地ゾーンは、北エントランスゾーンと南エントランスゾーンをつなぐ通路が主で、通路脇には大きな木が立ち並んでいます。
↓道沿いには大きな木がたくさん。雑木林を復元したそうで、日陰がたっぷりの通路です。
南エントランスゾーン
南エントランスゾーンは、やまざとひろばを中心に、夕日展望台、駐車場やトイレがあります。
↓「やまざとひろば」は、芝生の小高い丘になっています。丘のまわりをぐるっと桜の木が囲んでいて、ピクニックに良さそうな広場。
↓モミジが囲んでいるあずま屋、トイレ、駐車場には自販機もあり。
↓南エントランスゾーンには、モミジもたくさん植わっています。通路にコケが生えているのも雰囲気よい。
夕日展望台
↓「やまざとひろば」から、さらに少し高い場所に夕日展望台があり、西の方向に展望がひらけています。
↓石のモニュメントや、パーゴラにはベンチがあります。
姿池のまわりに比べて、南エントランスゾーンは人が少なめ。静かな公園が楽しめるかと思いきや、夕日展望台のすぐ近くは尾根幹道路となっていて、車の音がブンブンします。
南大沢方面の出口から、南大沢南の交差点付近にコンビニ(ミニストップ)があるので、手ぶらでピクニックに来ても、食料は調達可能!
訪れたのは11月で公園全体が色づいていましたが、やまざとひろば付近でも赤や黄色の木々がたくさんありました。
↓おそらくコナラだと思いますが、きれいに黄葉していて、葉っぱがまるで洋菓子のラングドシャのよう。
特別保全ゾーン
特別保全ゾーンには立ち入れません。
↓画像の右側が特別保全ゾーン。柵で囲われて、入れないようになっています。
バーベキュー
バーベキューでの利用は無料ですが、予約が必要です。自然館のカウンターか電話で予約します。
直火は禁止で、洗い場なし、炭の捨て場も無いのでゴミは全て持ち帰ります。
バーベキュールールについて、公園指定管理者のひとまちみどり由木さんのHPに詳細がありますので、こちらからご確認ください。
駐車場
駐車場は2か所あり、休日や平日でも混んでいることがあります。
自然館駐車場 70台
利用時間 3月〜9月 8:30〜18:30
10月〜2月 8:30〜17:30
場所 北エントランス
やまざと駐車場 17台
利用時間 3月〜9月 9:00〜18:00
10月〜2月 9:00〜17:00
場所 南エントランス