都立多摩丘陵自然公園内にある高幡不動尊は、平安時代初期に不動堂が建てられ、不動明王が安置され始まりました。長きにわたり人々の信仰を集め、現在でも多くの人が参拝に訪れる寺院です。高幡不動尊金剛寺の裏手にある愛宕山には、山内八十八ケ所巡拝路が敷かれています。京王線、多摩モノレール高幡不動駅から、南へ徒歩5分ほどの場所に位置しています。
基本情報
大きさ | 約99,000㎡ |
遊具 | × |
水道 | あり |
ベンチ | あり |
トイレ | あり |
駐車場 | あり |
自販機 | あり |
トイレも水道も自販機も、山の中にはありません。
遊具
お寺の敷地内であり、遊具はない自然公園です。
山内八十八ケ所巡り
お寺の裏手には愛宕山(標高126m)があり、山には「山内八十八ケ所巡拝路」が敷かれています。
高幡不動尊は真言宗智山派で真言宗の開祖は空海(弘法大師)です。散策路には、1番から88番まで弘法大師像が安置されています。
四国八十八ヶ所を巡るお遍路のように、巡拝して行こうと思います。
私の足では、全部まわって1時間半くらいの道のり。アップダウンが多く歩きごたえがあり、さまざまな植物や見晴らしが楽しめる散策路です。
五重塔を見上げながら、無料休憩所の脇を通って巡路に入ります。
↓入り口から弘法大師像が見えます。このように、道の数mおきに石像が配置されています。
↓道端の植物に名札がついています。札所1番から20番くらいまでの道すがらに、たくさんの名札を確認でき、花の時期には観察が楽しめそうです。
↓山あじさいの群生地。初夏には花が楽しめます。
↓北向き斜面で暗めの道を通っていきます。
↓お大師さまのそばに寄り添うハトが2羽。このあともう1匹加わった大人気ぶり。
↓巡路のほかにも、山の中にはいろんな道があります。
↓木漏れ日で気持ちのよい道を歩きます。
↓32番から36番は、山頂に近く、ちょっとした広場になっています。
クロマツ
↓ここには愛宕山の由来とクロマツの説明板の設置あり。
↓35番の近くに大きな松あり。これがクロマツかな?根元近くの丸い形は、戦時中の松やに採取の傷跡でしょうか。
↓松枯れを防ぐためと思われる、薬剤注入のフダがついてます。見上げるとひっくり返りそうなくらい、背の高い松です。
高幡城址
↓巡路からそれて山頂へ行くと、高幡城址があります。城址とはいえ、何かを残している場所では無いようです。
浅川や多摩川の南岸にはほかに、平山城址や関戸城址があります。
調べてみると、いつ城が建てられたのか、どれもはっきりとは記録が残っていないらしい。
鎌倉時代〜戦国時代の中世、いつ戦が起きてもおかしくない不安定な時代に建てられたもののようです。
多摩川や浅川の南岸は、守りの要所だったのですね。
城と言っても、想像するような立派なお城と違い、見張台のようなものとも言われています。
↓山頂は見晴らし台になっていて、新宿の建物まで見渡せます。
↓遠くまで見渡せるので、知っている場所を探すのが楽しい。確かにこの見晴らしなら、敵が攻めてきても発見しやすそうです。
↓山頂をおりて巡路に戻ります。山の南側に入り、明るい道を歩いて行く。
53番くらいにも見晴らし台があります。見晴らし台はフェンスあり、草がたくさん生えていたりで、あまり願望がよくなく、スペースも狭いので早々に場所を離れました。
↓60番台は曼珠沙華(ヒガンバナ)が植えてある広場へと下っていく道。
9月頃には綺麗なヒガンバナが見られそう。たくさん植えてあるようで(どんどん増えたのかも知れませんが)、青々とした葉が一面に見えます。
葉は春先には枯れてしまうそうで、春に芽吹く植物が多いなか、逆の生態をしていて面白い。
↓ヒガンバナ植栽記念碑。平成28年ということで7年前、わりと近年植えられたものなんですね。
達筆で石碑になんと書いてあるのか読めません。ここに限らず石碑の文字って大体読めない。
↓ちなみにヒガンバナを楽しむなら、こちらの公園もおすすめ。
↓曼珠沙華の近くには砂地の広場。
マップを見ると「馬場跡」となっていて、昔はここに馬がいたんですね。今は単なる広場で、ポツンとベンチが置かれているのみ。
しかし表の参道の賑わいからだいぶ離れていて、人通りもまばら。日当たり良しでなんだか落ち着く場所です。
広場をすぎて、少し登る道に入ります。
↓巡路をそれたところに休憩所らしきものがありました。道の両脇にはヒガンバナの葉(たぶん)がふさふさしています。
六角の形状で、向かい合って座れる味のあるベンチがありました。しかし苔が結構生えていて、あまり使われていなさそう。
↓巡路は城址の近くに戻り、日の当たる明るい道が続きます。
80番台あたりの道は、マップを見ると、モミジやサクラやツバキが見られるようです。
↓訪れたときは冬で、ちょうどツバキやサザンカが咲いていました。
↓ツバキの道では見晴らしもよく、南西方向の住宅街や富士山を一望できます。
葉が生い茂る時期には、見通しがなくなるかも知れません。
2つ見晴らし台があったものの、ここの景色が個人的に一番良かった。
↓巡路以外の小道。風の強い日で、葉が激しく揺れてキラキラしていました。こんな道をずっと静かに歩いていたい。
↓巡路は終盤になりどんどんくだり、やがて五重塔が見えてきます。
↓五重塔に向かっておりていくと、聖天堂と大師堂があります。ここが終点です。
↓88番のお大師様と大師堂に参拝して、お遍路(仮)を終了しました。
境内のようす
平日には訪れる人はそれほど多くありません。しかし、土日や年始、イベントの時期には混雑しています。
お護摩
高幡不動尊ではお護摩修行が出来るそうです。
お護摩を知らなかったので調べてみると、火で煩悩を焼き尽くして祈祷する修行のことのよう。
護摩とはいうのは、梵語でホーマという。ホーマが日本語読みで護摩になったのでしょうか?
正月の期間になると、日に何回もお護摩が行われているので、参拝がてら、願い事を祈りに行くのもいいですね。
ところで梵語(サンスクリット語)というと、「天空戦記シュラト」というアニメを思い起こす世代です。戦いで唱えていた真言が、カッコいいと思った記憶があります。しかしウィキペディアを見ると「天空戦記シュラト」は密教ではなく、インド神話がベースだとか。インド神話は、仏教だけではなく、バラモン教やヒンドゥー教にも伝わるものだという。宗教は奥が深過ぎて、まったく把握できません。しかし、土地を調べると歴史、歴史を調べると宗教、という風に繋がっていて切り離せないもので、少しずつでも分かっていきたい所存です。
土方歳三
↓参道の目立つ場所に、土方歳三の像が建っています。
新撰組の副長として有名な土方歳三は、現在の日野市石田の生まれです。土方歳三の生家は建て替えられ、資料館となっています。
高幡不動尊から北へ徒歩15分くらいの場所にあるので、訪れてみようと思ったら、現在、土方歳三資料館は長期休館中とのこと。残念。
植物
境内の裏山には植物の名札が数多くあり、山あじさい園や、曼珠沙華のエリアも設けられて、植物観察にも魅力的なお寺です。
あじさい
山内八十八ケ所巡路では、道端にたくさんのあじさいが見られます。
↓山あじさい園としたエリアもあり、案内図が設置されています。
梅雨の時期が楽しみです!
サンシュユ
↓樹齢200年という日野市の天然記念物「サンシュユ」。88番のお大師様へ行く途中に見られます。
同じミズキ科の「ハナミズキ」は、樹齢が80年くらいらしく、「サンシュユ」の平均樹齢はわからないのですが、とても長く生きている個体なのではないでしょうか。
駐車場
お寺の駐車場は第一と第二の2ヶ所で無料です。交通祈願や参拝者専用の駐車場となっています。
駐車場はどちらも広くありません。平日でも入庫待ちの車が車道に並んでいるので、おそらく交通安全祈願の車が多く、すぐに満車になってしまうようです。
近隣には民間の有料駐車場がいくつかあるので、車で訪れる際には、そちらの利用も考えておいた方が良さそう。