鶴牧西公園は、地形の起伏を活かした大きな公園で、歩きごたえがあります。大きな土間のある集会所や、田んぼ、果樹園などが見られ、地域活動が盛んな様子もあり。小田急線の唐木田駅から、東へ徒歩5分ほどの場所に位置しています。
基本情報
公園map
↓公園内の看板より。
遊具
公園にある遊具は以下のとおり。
・すべり台
・ブランコ
・鉄棒
・砂場(2ヶ所)
・健康遊具
↓すべり台やブランコなどの子どもが遊ぶ遊具は、「果樹の谷」を下った場所にあります。
↓大人向けの健康遊具は、「みどりの広場」に設置してあります。広場のまわりを囲むように設置してあり、種類も豊富。
↓さらに「みどりの家」の横にも砂場あり。
公園のようす
公園のようすは、公園mapにある各エリアの名称ごとにご紹介します。
↓鶴牧東公園の北西にかかる橋を渡ると、すぐに鶴牧西公園に入ります。
橋の向こうに見える大きな屋根は、「みどりの家」という集会所で、床が土間になっています。
↓みどりの家の近くに砂場、その奥には芝生のエリアが広がっています。
↓みどりの家は、大きなしっかりした建物です。ガラスブロックの壁で、中が見えそうで見えない。
利用するには有料で、事前に予約が必要です。詳しくは多摩市の公式サイト(外部サイト)をご確認ください。
感染症対策により、施設の利用が制限されていた部分もあったそうですが、公式サイトによると、6月1日より通常利用再開との記載がありました。
みどりの広場
↓みどりの家のお隣は、みどりの広場という広々した芝生のスペースがあります。
広場のまわりには木が立っていて、ベンチが何基か置かれていたり、広場を囲むように健康遊具があります。
バーベキュー
鶴牧西公園では、有料でバーベキューが出来ます。事前に申し込みが必要です。
↓芝生の片隅、みどりの家に近い場所に石のタイルが敷かれている場所があります。公式サイトを見ると、バーベキューの利用はここでのみ可能らしい。
場所の広さ的に、1組ぐらいしか利用できないように感じます。
みどりの家の裏側には管理事務所と「弐の土間」があり、公園利用者が使えるトイレもあります。ちなみに先の大きな屋根に土間の集会所は「壱の土間」です。
↓建物の一角は花だんになっていて、シャクナゲ、デイジー、モモイロタンポポ、ウサギノオやパンジーなど、とってもキレイに咲いています。
↓花に囲まれた駐車スペースがありますが、管理者専用という立札あり。そもそも、公園内には車止めがあり、通常はここまで乗り入れが出来ません。
↓5月の下旬に訪れると、モモイロタンポポがナデシコに代わっていました。赤紫色が鮮やかで、とても華やかな一角になっています。
みどりの家の北側には、展望が良い場所があります。
↓果樹の谷を見下ろせるロケーションに、ベンチが3つ置かれています。
時折眼下に、小田急線の電車が通りすぎるのが見えます。
果樹の谷
↓果樹の谷はその名の通り、傾斜地に様々な果樹が植えてあります。
大切に管理されているようで、「無断で実を取らないで」という張り紙があります。
日時は不明ですが、収穫した果実の即売会も行われているようです。
果樹の谷に下のエリアへつながる階段があります。
↓階段をくだった先には、遊具の置いてある広場があります。
↓広い公園にしては遊具のエリアがこじんまりしています。住宅やマンションがすぐ近くにあるので、安心感があり良い場所です。
↓そして目に付くのが、ドラゴンのようなオブジェがある手洗い場。
蛇口が5つも付いていて、石が彫られて造形されている立派な水道です。
ドラゴンの背中は水が溜まりそうなので、ちょっとした水遊びができるのかも?
↓果樹の谷を横目に、水の広場へ続く階段を登っていきます。
↓息を切らしつつ階段を登りきると、石のタイルが敷かれている広場が見えます。
水の広場
↓水の広場の名の通り、池ような水溜まりがありました。池にはカルガモかな?つがいで泳いでいます。
魚は居なさそうなのに、餌はあるのかな?と思いましたが、カルガモがメインに食べるのは植物らしいですね。
↓水の広場の横手には雑木林へ続く道、
↓反対側は、植え込みの向こう側にみどりの広場が見えます。前に立ち並んでいる木はイチョウです。
↓水場の端っこは切れ落ちています。奥は滝になっている訳ではなく、シンガポールのマリーナベイ・サンズのプールと似たような、段差で水を受け止める構造です。
水のある風景や、近くの雑木林から鳥の鳴き声が聞こえてきて、心地よい雰囲気だと思いますが、残念、ベンチが無いのですぐ通過しました。
↓水の広場の中央には階段が通っています。
↓階段をおりて水の広場を見上げたところ。
↓上の広場には無かったけれど、ここにはベンチがあります。植え込みが近いので、時期によっては虫が多いかも?
↓階段をおりた所を左手に進むと、トイレや駐車場のある場所にたどり着きます。付近にはレンタルサイクルスポットもあります。
雑木林
鶴牧西公園は、公園内の広い範囲に雑木林があり、散策路が敷かれています。
↓水の広場から雑木林へ続く道に入ります。土の道で山道のような感じです。
↓道は緩やかにくだって行き、だんだん傾斜が急になっていきます。
↓道端には、中に入って座れそうな形に株立している木。イヌシデ?
↓新緑の中を道はどんどん下って行きます。
雑木林を出ると、すぐ目の前に住宅街がありますが、乞田川に沿った小道が続いているので進んでみます。
↓田んぼのあぜ道のような小道を進みます。
↓乞田川沿いを歩いていくと、そのうち左手に公園入口が見えてきます。
農家風休憩施設
↓入口を通るとすぐ右手に、日本家屋に見える建物があります。
↓公園の案内図を見ると、「農家風休憩施設」となっています。こちらも有料での使用が可能のようです。
↓農家風休憩施設の近くには水の流れがあり、キショウブが咲いています。
↓流れのほとりには、青々したカツラの木も見られます。
カツラは公園で時おり見かけますが、もともと林や山の中の沢沿いに自生している種類らしく、
公園でも、水辺の近くに植えられていることが多いそうです。
秋には葉が黄色くなり、甘いキャラメルのような匂いを周囲に漂わせるので、カツラが近くにあると分かります。
↓道はさらに公園の南へ続いています。
田んぼ
↓農家風休憩施設のあるエリアは、雑木林や花の谷に囲まれた谷間に広がっています。
↓このエリアには、田んぼ、あずま屋、ベンチなどがあり、
↓加えて、迫力ある大きなシダレザクラがあります。花の時期は過ぎていて、葉が茂っています。
このシダレザクラは、多摩市指定天然記念物になっています。
樹齢は約200年以上とも推定されていますが、弱っていることもなく良好な状態とのこと。(公園内の説明板より)
もともと、この桜と敷地は、公園に隣接している川井家から寄付されたものだそうで、
その「川井家住宅主屋」は、国の登録有形文化財(建造物)になっています。
参考:文化遺産オンライン|川井家住宅主屋(外部サイト)
竹は春に黄葉する
↓竹の葉がきれいに黄葉していて、落ち葉が舞い散っていました。
今まで、あまり意識していなかったのですが、竹は春に黄葉するのですね。
近くでよく見てみると、黄色に輝いています。風が吹けば、舞い散る葉の美しい光景が見られました。
日本では、マダケ、モウソウチク、ハチクといった三大有用竹が広く分布しているとのことで、
スーパーでよく見かけるタケノコは、モウソウチクが多いそう。
花の谷&お茶の谷
↓田んぼから見上げると、ジクザクしたスロープが見え、そこが花の谷になっています。
↓花の谷という名ですが、一面の花畑があるわけではなく。ここからシダレザクラを見下ろせるので、「花の谷」なのでしょうか?
↓花の谷をみると、シダが生えているところがあります。シダは常緑というイメージでしたが、赤茶色っぽいものがあるのが気になりました。
上の画像はおそらく「ベニシダ」ではないかと思うのですが、ベニシダは若葉が赤くなるそう。
シダ植物は胞子で増えるため花が咲かないので、あまり注目していなかったのですが、
一口にシダと言っても、調べてみるといろんな種類があるんですね。
しかし、素人では同定が難しいらしく、葉の裏の胞子嚢をじっくり観察することが必要なようです。
↓花の谷のスロープを道なりに上がっていくと、お茶の谷が見えてきます。
茶畑は斜面に多い気がするので調べてみると、日本茶に使われる茶の木の生育には、日当たりと水はけの良い土地が必要ということで、平地よりも傾斜地の方が、適した環境なんですね。
そのほか
↓農家風休憩施設から南西方向へ続く道へ歩いて行くと、何かに形作られた石がゴロゴロ置いてある、ちょっとした広場へ出ます。
↓石には「すとーん」という文字があります。石には頭頂部から下へ流れるような彫り込み、近くに丸い石が置いてあります。「stone」と落ちるときの擬音「すとーん」を掛けているんだなぁと勝手に解釈しました。
↓石積みの小窓には、蜘蛛の巣のオブジェもあります。
公園の端の方に位置しているひっそりとした広場ですが、何だかコミカルな印象です。
石の広場の近くにも雑木林がありますが、中へは入っていけないようで、駐車場方面へ戻るために、階段を登って上の道路へ出ます。
↓階段の他にスロープでも道路へ上がれます。斜面に突き出た、宇宙船のような形のスロープは、住宅街へ繋がっています。
↓道路沿いの歩道を道なりに歩けば、駐車場へ着きます。反対方向へ歩くと、小田急線の唐木田駅へ向かいます。駅へは徒歩5分程度という近さ。
植物
公園で見かけた植物について。
ナデシコ(ナデシコ科ナデシコ属)
ナデシコという花の名前は、「やまとなでしこ」という日本女性を表す言葉にも使われています。
可憐で繊細に見えますが、その実は強い植物という性質を人に当てはめたんですね。
↓このショッキングピンクの鮮やかな花は、ダイアンサスという品種と思いますが、どうでしょう。
ナデシコの花は夏に咲きますが、ダイアンサスは四季咲きの品種もあるそう。
一般的には「ナデシコ」の花というと、カワラナデシコのことを指すようで、
万葉集にもナデシコを詠んだものがあり、古くから身近で親しまれている花、という印象があります。
エゴノキ(エゴノキ科エゴノキ属)
↓公園内の道端にはエゴノキの花が見られました。
エゴノキは白い花が下向きに垂れていて、一斉に咲くこともあり、その姿が美しいのですが、この道端の木は花が少なめで元気もなさげです。
↓八王子市で見かけたエゴノキは、花のツボミをたっぷり付けていました。どこの公園だか、場所の詳細は失念。
エゴノキの花は5月〜6月に咲き、枝先に複数の下向きの花を付けるのが特徴です。
似た花に、ハクウンボクというのがありますが、エゴノキの方が花の咲く時期が早く、花柄が長いらしい。
エゴノキの実は毒性があり、口にするとエグい(エゴい)ので、エゴノキという名になったという説があり。
果皮には「エゴサポニン」という毒を含んでいます。
サポニンは海面活性作用があり、エゴノキの実は水で泡立てることができるため、昔は洗剤として利用されていたそうです。
モミジバフウの花(フウ科フウ属)
↓4月に公園を訪れると、モミジバフウ並木の下にはまだ落ちた実が残っていて、そばには花も落ちていました。
モミジバフウは雌雄同株で、雌雄異花、花弁(花びら)は無し。雄花序と雌花序が別々になっています。
雄花序は、丸い花序が軸に集まって咲き、雌花序はひとつだけ丸い花序が垂れ下がっているらしい。
画像の矢印で示した部分は、雌花序では無いかと思いました。
雄花序だけ散って、雌花序は残って実になるという事ですが、画像のものは一緒に落ちてしまったようです。
アクセス
電車
小田急線唐木田駅から、東へ徒歩5分程度。
小田急線・京王線・多摩モノレールの、多摩センター駅から、南西へ徒歩15分程度。
駐車場
台数:23台
料金:無料
開場時間
4月〜8月 8:30〜19:00
9月〜3月 8:30〜18:00
平日でも混雑しているのを見かけます。